「こんなページが欲しかった」「あれも盛り込みたい」――開発の途中で出てくる追加要望により、スケジュールやコストが膨張してしまうのはよくある話です。そのリスクを最小化するために重要なのが、Phase3の要件定義・機能仕様策定です。サイトに必要な機能や範囲をここでしっかり固めておくと、後工程の混乱を抑えられます。
機能要件の洗い出し
まずは機能要件の洗い出しから。トップページ、サービスページ、ブログ、問い合わせページなど、必要なページタイプの他、検索機能、会員機能、外部ツール連携などを検討します。HubSpot CRMへのフォーム送信データの自動登録や、マーケティングオートメーションとの連携もこの段階で決めておくとスムーズです。
非機能要件の洗い出し
同時に、非機能要件としてパフォーマンス(表示速度や負荷耐性)、セキュリティ(SSL、WAFなど)、運用管理(更新権限、バックアップ手順)を整理します。特にHubSpot CMSはSaaS型のためアップデートが自動で行われますが、独自に追加するスクリプトや外部プラグインがある場合は、その管理も考慮が必要です。
SEO要件・解析要件の定義
さらに、SEO要件・解析要件としてキーワードの選定、メタタグのガイドライン、サイトマップ送信やGoogle Analyticsとの連携、HubSpotの分析レポート活用などを定義します。公開後の流入増加を狙うなら、あらかじめSEO視点を設計に盛り込むのが重要です。
UI/UX要件の定義
また、UI/UX要件(レスポンシブ設計やユーザビリティ指針)や、法的要件(プライバシーポリシー、特定商取引法表記など)も盛り込んでおきましょう。これらを一覧表にまとめ、ステークホルダー全員で合意形成することで、サイト構築のゴールが明確になります。
具体例
よくある例として、「お問い合わせフォームから情報を得て自動返信メールを送る」「そのリード情報をHubSpot CRMに登録し、スコアリングして営業チームに通知する」という一連の流れを想定するとき、フォーム項目や自動メール文面、スコアリングルールなどを要件定義で決めておくと後が楽です。
まとめ
Phase3のポイントは、実装前に必要項目を洗い出すことで「想定外」を極力減らすこと。要件定義を怠ると、開発終盤で大幅な修正が発生しかねません。逆に、しっかり固めればスケジュールどおりにPhase4以降を進めやすくなります。