初心者向けノーコードHubSpot CMS活用法

HubSpot Content Hub 完全ガイド

HubSpot Content Hubは、マーケティングと直結したWebサイトを初心者でも構築・運用できるクラウド型のCMS(コンテンツ管理システム)です。サイト制作からコンテンツ配信、分析まで一元管理できるオールインワンのプラットフォームとして、専門知識がなくても直感的に操作できるように設計されています。

開発コストや手間を大幅に削減できるため、その分のリソースを写真・動画・文章といったコンテンツ制作に振り向け、差別化を図れる点も大きな魅力です。

本ガイドでは、HubSpot Content Hub(HubSpot CMS)の特長とメリット、そしてノーコードで効率よくサイトを構築する方法を初心者向けにわかりやすく解説します。

HubSpot Content Hubの特長とメリット

HubSpot Content Hubを活用することで、Webサイト構築・運用には次のようなメリットがあります。

オールインワン

CMSによるWebページ作成からブログ・LP制作、画像/ファイル管理まで、コンテンツマーケティングに必要な機能が一つに統合されています。分散しがちなツールを集約できるため、効率的で一貫性のあるサイト運用が可能です。

直感的なコンテンツ編集

マーケティング担当者でも扱いやすい直感的なUIを備えており、専門知識がなくてもドラッグ&ドロップでページ編集ができます。社内でスピーディーにコンテンツ更新・追加が行え、タイムリーな情報発信を実現します。

SEO最適化

検索順位を上げるためのSEO支援ツールも標準搭載。優先度に基づいた改善提案が表示されるため、効果の高い項目から順に対策を進められます。たとえSEOの専門知識が少なくても、適切なサイト最適化を迷わず実施可能です。

CRM連携

Webサイト経由で取得したリード(顧客情報)は自動的にHubSpot CRMに蓄積され、Marketing HubやSales Hubのデータとシームレスに統合されます。サイト訪問から商談化まで一貫して顧客情報を追跡でき、マーケティング施策と営業活動をスムーズにつなぐことができます。

ノーコードで始めるHubSpot CMSサイト構築:テーマ&モジュール活用

HubSpot CMS(Content Hub)では、ノーコード開発によって短期間・低コストでWebサイトを構築できます。その鍵となるのが「テーマ」と「モジュール」の活用です。ここではテーマ&モジュールを使ったサイト構築について詳しく説明します。

テーマ|Templates & Themes

HubSpotにはあらかじめデザインが整ったテーマが用意されており、公式マーケットプレイスから無料・有料でさまざまなテーマを入手できます。

テーマにはトップページやブログ、ランディングページ向けのテンプレートが含まれ、全体的なデザインやレイアウトが統一されています。気に入ったテーマをインストールし、自社用にテーマ設定(ブランドカラーやロゴ、フォントなど)を調整するだけで、プロがデザインしたような外観のサイトを簡単に手に入れることができます。

無料テーマでも基本的なサイト構築は可能ですが、より洗練されたデザインや高度な機能を求める場合は高品質な有料テーマの活用がおすすめです。テーマによってはモバイル対応や速度最適化、アクセシビリティ要件も考慮されており、初心者でも安心して使うことができます。

モジュール|Modules

モジュールとは、ページ上の各種パーツ(ボタン、画像ギャラリー、フォーム、スライダーなど)をコンポーネント化した再利用可能なブロックのことです。多くのテーマには用途別に豊富な標準モジュールが含まれており、ユーザーはそれらをドラッグ&ドロップで配置してページを組み立てられます。

例えばお問い合わせフォームやCTAボタンも、あらかじめ用意されたモジュールを配置してテキストや画像を差し替えるだけで設置できます。

必要に応じてカスタムモジュールを作成することも可能で、自社独自のデザイン要素や機能パーツを追加することもできます(※カスタムモジュールの作成にはHTML/CSSやHubSpot独自のHubL言語の知識が必要です)。

しかし通常は、テーマ付属のモジュールを組み合わせるだけで十分に多彩なレイアウトを実現できるため、初心者はまず既存モジュールを活用することをおすすめしています。

これらテーマ&モジュールを活用することで、サイト構築時のコーディング作業を大幅に省略できます。テンプレートに沿ってモジュールを当てはめる形でページを量産できるため、ページ作成のスピードが飛躍的に向上します。実装済みのデザイン要素を使うことで品質も安定し、レスポンシブ対応やブラウザ互換性のテストに費やす手間も減らせます。ノーコードでありながら完成度の高いサイト構築を実現できるのが、HubSpot Content Hubの大きな利点です。

HubSpot CMSによるサイト構築のアプローチ【テーマ活用 vs. カスタム開発】

目的や予算に応じて、HubSpot CMSでのサイト構築には大きく2つのアプローチがあります。それぞれの特徴を把握し、自社に合った方法を選びましょう。

有料テーマを活用したノーコード開発

HubSpot公式マーケットプレイスで提供されている既存テーマ(主に有料)をベースにサイトを構築するアプローチです。あらかじめ用意されたモダンなデザインテンプレートや各種モジュールを最大限に活用し、ドラッグ&ドロップのノーコード編集でページを組み立てます。開発期間を短縮できるため導入スピードが早く、初期コストも抑えられるのがメリットです。またテーマ内の設定オプションによりレイアウトやカラー、フォントなどデザインのカスタマイズも柔軟に行えます。テンプレートやモジュールの再利用性が高く、一貫したデザインで複数のページを効率よく作成できる点も利点です。まずはこのテーマ活用型から始めることで、素早くサイトを立ち上げて運用を開始し、その後必要に応じて細部の調整やカスタム要素の追加を検討すると良いでしょう。

カスタムテーマ開発

ゼロからオリジナルのデザインや機能を構築するアプローチです。企業のブランドイメージや独自の要件に合わせて一からデザインを起こし、HubSpot Content Hub上でテンプレートやモジュールをコード(HTML/CSSやHubLなど)によって制作します。自由度が最も高く、細部まで自社のこだわりを反映したオリジナルデザインのサイトを実現できる一方で、制作期間とコストは比較的多くかかる点に注意が必要です。高度な開発スキルを要するため、社内に開発リソースがない場合は外部の専門パートナーに依頼することになります。初心者にとってハードルが高い方法ではありますが、将来的に独自機能の拡張やシステム連携が必要な場合にはこのカスタム開発が適した選択肢となります。

有料テーマ vs. カスタムテーマ

各項目について、優れているほど★を多く付与しています(★3つが最大評価、★1つは劣ることを示す)。

項目
有料テーマ(ex;Act3)
カスタムテーマ
レイアウトのバリエーション
★★
★★★
スタイリング変更の柔軟性
★★
★★★
レスポンシブデザイン対応の質
★★★
★★
独自ブランディング要素への対応
★★★
標準モジュールの種類と数
★★★
カスタムモジュール追加の容易さ
★★
★★★
動的機能(アニメーション等)への対応
★★★
ブログ・多言語サイトへの対応
★★★
★★
初期開発コスト(導入費用)
★★★
導入までのスピード
★★★
保守・アップデートの手間
★★★
将来的な拡張の容易さ
★★
★★★
コンテンツ編集の容易さ
★★★
テンプレート/モジュール再利用性
★★★
★★
ドキュメント/サポート体制
★★★

評価に用いたAct3テーマは高速で使いやすく、豊富なテンプレートとモジュールを備えた包括的なHubSpotテーマです。そのため、デザインや機能の多くは既に用意されており、非エンジニアでもドラッグ&ドロップでページ編集が可能です。一方、ブランド独自の凝ったデザインや特殊な機能要求に関しては既成テーマでは対応が難しい場合があり、そのようなケースではカスタムテーマの方が柔軟に対処できます。カスタムテーマはゼロから構築する分、初期コストと時間はかかりますが、要件に合わせた自由な調整が可能で将来の拡張にも対応しやすいというメリットがあります。

どちらのアプローチを選ぶべき?

一般的には、多くの企業にとってまずは既存の有料テーマを活用した構築で十分高品質なサイトを実現できます。短期間で公開しコンテンツ発信を開始できるため、マーケティング効果を早期に得られるからです。どうしても独自のデザインや特殊な機能要件がある場合のみ、カスタムテーマ開発を検討すると良いでしょう。

開発コストを抑え、コンテンツ制作に注力して差別化しよう

ノーコード開発や既存テーマの活用によって開発コスト・工数を大幅に削減できることは、単なるコストカット以上の意味を持ちます。その浮いた予算や時間を、ぜひコンテンツ制作に振り向けましょう。サイト訪問者の心をつかみ、競合と差別化を図る鍵となるのは最終的にはサイト上のコンテンツの質です。例えば、自社の世界観を伝える高品質な写真や動画コンテンツ、ユーザーの課題解決に役立つ充実した記事コンテンツ(文章)には開発以上に注力すべき価値があります。テンプレート通りに作っただけの画一的なサイトではなく、コンテンツ面で充実したサイトこそが見込み顧客に響く魅力的なWebサイトと言えるでしょう。

開発面を効率化することで生まれたリソースをコンテンツに投資すれば、少ない予算でも効果的なWebサイト運用が可能になります。HubSpot Content Hubは更新のしやすさやマーケティングとの連携機能を備えているため、コンテンツファーストの戦略との相性は抜群です。CMSの開発負担を減らしコンテンツ重視で勝負する——この考え方が、これからのマーケティング施策と連動したWebサイト構築では非常に重要です。HubSpot CMSを上手に活用し、浮いたコストで質の高いコンテンツを生み出すことで、自社ならではの魅力を発信できるサイトを構築していきましょう。

関連サービス:

自社の世界観を伝える写真、利用者の課題解決に役立つ記事(文章)で差別化が図れます。コンテンツ制作については撮影・クリエイティブサービスをご覧ください。

関連サービス:

マーケティングと直結するWebサイトを、HubSpotのCMSを使って効率よく構築できます。詳細はWebサイト構築サービスをご覧ください。