ビジネス成果につながるWebサイトを作るには、いきなりデザインや機能に着手するのではなく、「そもそも何を達成したいのか」を明確にすることが欠かせません。Phase1では、マーケティング戦略と顧客理解を徹底的に行い、サイト構築の土台を整えます。ここをしっかり固めておくと、後のフェーズでの方向性ブレや手戻りを大幅に減らすことができます。
まず重要なのが、ビジネスゴール・KPIの整理です。自社の事業目標を洗い出し、「Webサイトがどんな役割を担うのか」「何を測定指標とするのか」を可視化します。たとえば、問い合わせ件数の増加、見込み顧客(リード)の獲得、あるいはブランディング強化など、目的は企業によって異なります。
次に、ターゲット顧客分析として、想定顧客層のセグメント分けやペルソナ設計を行います。年齢や職業といったデモグラ情報だけでなく、「どんな課題を抱えているのか」「どこで情報収集するのか」など行動パターンも検討し、具体的な人物像を描き出します。こうした作業は、HubSpotのフォームやマーケティングオートメーション機能を使うときにも役立ちます。
さらに、市場・競合分析によって、自社製品やサービスが属する市場の規模・トレンドを把握し、主要な競合のWebサイトや施策を比較して強み・弱みを明確化します。ここで得られた知見は、次フェーズのコンセプトづくりや差別化戦略のヒントになります。
そして、提供価値のブレイクダウンを行い、自社のUSP(独自の売り)がどこにあるのかを言語化しましょう。これがのちのサイトメッセージやコンテンツの軸となります。
最後に、マーケティング施策全体の方針(オンライン広告、メール施策、SNS連携など)をざっくり整理しておくと、Webサイトが一部だけ浮いてしまう事態を防げます。
Phase1で大切なのは、「誰に・何を・どのように届けたいか」を具体化すること。この作業ができていれば、続くPhase2のコンセプト策定やサイトマップ設計に自信をもって臨めます。逆にここが曖昧なままだと、後々の手戻りが大きくなり、公開後の成果も伸び悩んでしまいます。