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好きなカフェを家に取り入れる──コーヒーを淹れたくなる住まいのつくり方

作成者: cafenoma|2025年 02月04日

干した洗濯物があるだけで、ゆっくりコーヒーを味わえない…
これは日常に溢れる生活感を指す表現として、私たちがよく口にする一例です。カフェのような落ち着きを自宅に取り入れるには、できるだけ「生活感」を取り除くことを普段からオススメしています。それでも、いざ家を整えようとすると、「どう取り入れたらいいのか分からない」という方も多いのではないでしょうか。

好きなカフェの「いいな」と思える部分を、少しずつ自宅に取り入れる──それだけで、家がほっとする居場所へと変わっていきます。今回は、カフェの心地よさを住まいで再現するポイントを5つの視点に整理してご紹介します。

1.好きなカフェの断片を持ち帰る

カフェに行くと、あれもこれも全部真似したい、と思いがちですが、実は細部をよく見ると、ここが特に好きという部分が必ずあるはずです。例えば、壁面に使われた古レンガや、大きな黒板に書かれたメニュー、くるくる回る天井のファンなど。

カフェノマの家は、たとえば、オランダ・アムステルダムで見つけたカフェの古いレンガ壁や、街に馴染むような落ち着いた雰囲気を断片的に記憶し、自宅マンションに反映させました。

POINT 好きなものから考えるのが第一歩。まずは要素を切り分け、手持ちの写真やノートにメモし、いつでも見返せるようにしておくことをおすすめします。

カフェノマ宅のキッチンの壁にはった古レンガ

白いポットとレンガとキッチン。カフェノマの家はここを出発点にして設計しました

2.街に馴染む空気感を家の中でどう育てるか

カフェの良さは、その街の歴史や景色に馴染むからこそ、良さが際立つケースもあります。家に取り入れる際も、単にレンガや黒板を貼り付ければ完成、というわけではありません。家具の配置や壁をDIYするときも、少しずつ手を加えてみて、「これで正解?」と感じる期間を経るうちに、空間がゆるやかに馴染んでいきます。

カフェノマ宅では、漆喰を塗った直後、仕上がりのムラを「これで大丈夫?」と思いましたが、1週間もすると自然な陰影や手触りが心地よく、空間に溶け込んでいました。

POINTカフェノマがおすすめする「洗練8割+温かみ2割」というバランス。きれいに整った空間に、経年変化する素材(古レンガ、木製家具、漆喰など)を少し取り入れると、時間とともに味わいが増して、肩ひじ張らない落ち着きが生まれます。

3.自分の好きを探す

好きなカフェを自宅に採り入れたい方におすすめなのが、カフェの席選びを意識してみること。好きな席に座ったとき、なぜ落ち着くのか? 隣の席とは何が違うのか? そこにしかない視界や距離感は何か?……こうしたことを観察し、メモをします。

たとえば、カフェノマ弓庭の場合、カフェではカウンターの端の席を好んで選びます。店員さんの作業は見たいけれど会話はほどほどにして適度な距離感を保ちたい。そんなイメージが重なって、店主役とお客さん役を両方楽しめるよう、自宅にキッチンカウンターをつくりました。

POINT「どんな空間やシーンに惹かれているか」を徹底して洗い出すのがスタートライン。1回目は何気なく行くカフェでも、2回目からは「なぜ、この店のこの席が好きなんだろう?」という目を持ってみてください。

4.時間と試行錯誤で自宅を育てる

DIYや家具のレイアウトなど、家に手を加えるときには、たいてい「本当にこれでよかった?」と不安になります。でもそこから数日〜数週間過ごすうちに、「光の入り方が変わった」「床に映る影がおもしろい」といった発見が出てくることも。

カフェノマにとって、アムステルダムの街角のカフェがなんとなく心地よかったのも、おそらくそこに何年も存在してきた空気を感じられたから。家も同じく最初は違和感があっても、徐々に味わいが出ていくと考えると、気持ちが楽になるはずです。

POINT好きを形にしてみたら、しばらく待って受け入れてみる。カフェノマが提唱する「家での暮らしを最高に楽しむ」ためのコツのひとつです。

壁の漆喰仕上げは湿度が高い時期を避け、ゴールデンウィークに。ラフな仕上げですが、光にあたると凹凸があるので雰囲気のある陰影ができます。

絶妙な色むらが目を引くテラコッタタイルと壁の漆喰

5.カフェ気分と生活感を両立する隠す・見せるメリハリ

最後に、カフェ空間を台無しにしがちな要素——自宅に溢れる生活感です。カフェノマは、飾るものは厳選して見せる一方、家電などはできるだけ隠すというスタンス。たとえばキッチンでは、炊飯器や電子レンジをフラップ式の収納扉の奥にしまい、ふだんは目立たないように。リビングでコーヒーを飲む際、気分を損なうような物があるときは、目立たないところに移動したりしています。お気に入りのカフェに丸見えの洗濯物や炊飯器がないのは当然といえば当然のことですよね。

POINT見せる収納と隠す収納をうまく使い分ければ、好きなものに囲まれ思わずコーヒーを飲みたくなる空間になります。カフェらしい雑貨は見せ、洗濯物やリモコンは目に入れない——これだけで空間の印象は驚くほど変わります。

Bcompanyで15年以上まえに購入した籠(かご)。籠のなかには軽いもの、たとえばペーパーナプキンなどをストックしています

みせる収納のひとつ、カップのための棚

まとめ:「好き」の断片の積み重ねが、カフェのような住まいをつくる

カフェの雰囲気を家に取り入れる——そう聞くと、大掛かりなリノベーションを想像するかもしれません。でも実際は、好きな席に座って発見した小さな部分を家の中に少しずつ落とし込み、その変化を時間とともに馴染ませていくだけでも変化を感じられます。

  • 好きなカフェの断片を明確にすること
  • 古い素材やラフな塗装を、時間の経過で馴染ませること
  • 日常生活のストレスとなるものは、できるだけ見えないように

この3つを意識するだけでも、家のなかで「コーヒーを飲みたくなる瞬間」が増えていくはずです。ぜひ、お気に入りのカフェからアイデアを見つけて、心地よい住まいを少しずつ育ててみてください。

「毎日の暮らしをほんの少しでも楽しく、心地よくしたい」カフェノマが大切にしているこの思いは、あなたの家にもきっと馴染んでくれるはずです。

参考